この"Taike Tomekichi"（全3巻）は、田池先生が亡くなられて5年が経ち、その足取りと、学びに集われた方たちの思いの変遷を残しておこうという記念誌的な性格を持っています。 このため、できるだけ仮名を使うようにしていますが、写真も含め、個人情報を多く含んでおり、このため学びに集われる方を対象とした限定出版で発行し、書店での販売および日本国内の図書館への寄贈はおこないません。
　ただ、この企画自体は、250年後に向けてのタイムカプセル的な出版物と考えており、アメリカの図書館への寄贈は、何としても実施したいと思っております。

　寄贈先の選定にあたっては、かつて渡米し寄贈受け入れをお願いした図書館に加え、ロックフェラー財団の関係する日本・アジア関係の資料を収蔵する場所、日本とゆかりの深い資料館や図書館を追加しております。
　特にジョン・ロックフェラー氏（ロックフェラー3世）は「ミスタージャパン」とあだ名されるほど日本への関心が強かった方で、日本の現在の図書館制度のベースは、彼ジョン・ロックフェラー氏によってつくられたと言っても過言ではありません。
　彼は、敗戦後の日本復興に大きな役割を果たしましたが、日本とアメリカの文化交流にも大きな影響力を発揮し、特に戦前・日本の図書館制度が、本の倉庫、司書はその倉庫番的な性格だったのを、真のライブラリアンを日本で養成し、日本の図書館制度を改善しようと「日本図書館学校」（後の慶應義塾大学図書館情報学部）を創設しました。

　また日本とアメリカの関係は、ジョン万次郎がアメリカの捕鯨船に救出されたことに始まりますが、万次郎がアメリカで教育を受けた地、フェアヘブンの図書館も日本とのつながりが深く、万次郎の子孫の方とハットフィールド船長の子孫の方の交流は、日米草の根交流として今も続き、その関係施設への寄贈も実施したいと選びました。

　なお、これら図書館へは、この"Taike Tomekichi"（全3巻）だけでなく、意識の流れ（対訳版と日本語版）、続意識の流れ（対訳版と日本語版）、意識の転回（抄訳冊子と日本語版）も、ともに寄贈したいと考えております。

アメリカの図書館　42館(2020.12.3現在）