― はじめに 塩川 香世―

(抜粋)

 

「自分の心を見る」
 というのは、たった10文字ですが、それはすごい意味を持っています。

 私は、正しく誰にも後ろ指をさされるような生き方はしてこなかったと思われている方、そしてまた私はそんな欲深くはない、世間並みのささやかな幸せがあればそれでいいと思っておられる方、あるいは生きていくのは辛い、しんどい、人生とは何だろうかとある種の行き止まりを感じておられる方、その他どんな方でもいいんです。

 どうぞ、「自分の心を見る」ということは、いったいどういうことなのだろうかと、あなたの今の状態から思いを馳せてみませんか。

 頭脳を誇ってきた私達人間が、動物や植物のように自然と一体化して生きていくのは至難の業かもしれませんが、ですが、あなたの今にほんの少しでも風穴を開けていただくきっかけに本書がなればいいと切に思っています。