「意識の流れ」

1.私の人生は、セミナーとともにありました

(赤字は読者に選ばれた「私のワンフレーズ」の個所です。) 


◎ セミナーを始めた理由と背景
 私はこれまで約20年にわたって、主にこの日本の国でセミナーを開かせていただきました。それはある年齢に達したとき、私はひとつの仕事をするために生まれてきたことが、自分の中で見えてきたからです。
 私は、自分の心を見るという作業を通して、自分の心で分かってきたことがあったのです。そして、何らかの形で私は自分の心で分かったことをお伝えしたい、また、お伝えすることが私の喜びであるという思いを強く持つようになりました。また、このことは決して片手間ではできないことであり、私のすべてを懸けてお伝えしたいと心から思いました。
 そして、それがセミナーという形となって、約20年間続けさせてもらったということです。



◎ セミナーを通して伝えた核心:心で理解することの大切さ

 私はお伝えすることが喜びという思いだけで今日まで存在してきましたし、その思いは、これからも全く変わることはありません。
私は、セミナーに私のすべてを注いできました。私にはセミナーで名を残そうとか、財を築こうとか、セミナーに集ってくる人々を救っていこうとか、そういう思いは一切ありませんでした。ただ私は喜びでセミナーを開かせてもらい、喜びでセミナーを閉じていくだけでした。
 セミナーに集ってきた人達は私の肉声を通し、また印刷物を通し、一通りのことはすでにご承知です。しかし、そういった方々でも本当にお伝えしたいことを分かっていただくのは難しいというのが、実際のところでした。それは本当のことはあなたの頭では理解できない、あなたの頭脳を遥かに超えたところに真実があるということが、なかなか理解してもらえなかったからです。
 頭ではなく、知識としてではなく、自分の心で分かるということが分からない、難しかったということでしょう。私達人間は、五官、すなわち目、耳、鼻、舌、皮膚を通して感じる世界が本当の世界であると思い、今、目の前に広がっている形の世界に自分は生きていると思ってきたし、今も思っています。確かに目に見えて、耳で聞こえて、手に触れるものがある世界は実感があります。その世界こそが現実の世界であると信じて疑わない思いが、非常に強いのです。そして、その中で幸せになろう、喜びを見出そうと、それぞれが「人生」と呼ばれる時間の中で一生懸命生きています。しかし、私は、その思い、その考えが根本的に間違っているということを、約20年かけてセミナーに集ってくる方々に伝えてまいりました。



人生経験:エネルギーの気づき
 人生経験が豊富な人は、人間味があって会話に事欠かないでしょう。この世をおもしろおかしく渡っていく術を会得している方は、また違った意味で人生とは素晴らしいものだと、自己の経験から語られることでしょう。しかし、人生の色々な場面をくぐり抜けてきたから、経験を多く積んできたから、人間の厚みが増して肝っ玉の大きい人だ、懐が大きい人だ、人生が分かった人だという評価はどうでしょうか。人生の中で色々あるということは、それだけの思いを自分が出してきたということです。その思いの結果が形となって、今、自分自身が見ているということです。苦労話、手柄話を披露するのではなく、そこで自分の出してきたエネルギーに気付いていかなければなりません。間違ったエネルギーを放出してきたことに気付いていくために、そのような肉を持って、そのような環境を選んできたということです。それが肉を持つ所以、生まれてきた理由です。そこのポイントを外した生き方は、本当にお粗末な人生だと言わざるを得ません。



◎ 現代社会への問いかけ
 しかし今、世間の誰がそのようなことを口にするでしょうか。すべてが形ある世界を基準にして成り立っています。誰も何の疑問も持たず、日々の生活を過ごしています。
 そういう中で私はあえて、このように伝えさせてもらっています。
  本当に考えてみませんか、本当にあなたは今のままでよろしいのですかと、私はあなたに問いかけているのです。
  答えはすぐに返ってこないでしょう。まず、あなたは分からないと答えるでしょう。そうかもしれないけれども、そんな堅苦しいことは抜きにして、今が楽しければそれでいいではないのか、まだ人生は先が長いし、そういうことはもう少し後で考えてみます、とりあえず私は今の生活がありますから、という返答があるかもしれません。



◎ セミナーの意義:喜びとしての時間
 しかし、これだけは知っておいてください。私自身いい加減なことを、いい加減な思いで伝えるために、今までの年月を経てきたのではありません。伊達や酔狂で、私は20年もかけてセミナーを開いてきたのではありません。
 私は収入の道を自ら放棄し、自分の真なる思いをセミナーという形で遂行してきました。もちろん、無償でした。
 私がセミナーの中の頂点でもなく、従って、私を中心にして組織が成立しているわけでもなく、当然そこには継承すべき地位も財産も何もありませんでした。ただ、それぞれの心に伝わってきたもの、響いてきたものが、その人その人の言うなれば財産になっていったかもしれません。
  ひとつひとつのセミナーがそこで完結で、そのセミナーで学んだもの、それぞれの心に感じたものを、これからどのように活かしていくかは、みんなそれぞれの心にかかっているということを、私は伝えてきました。
  このようにして開かせてもらってきたセミナーです。もちろん、これは宗教、人の道、そんな類のものとは次元を異にします。
  セミナーは人生です。セミナーという時間と空間を皆さんと共有できたことが、私にはただただ喜びであり、私はそれで完結してきたのです。私はセミナーに命を懸けてきたのです。



◎ 悟りの真実:心で証明されるもの
 過去、聖人君子と呼ばれ、悟ったとされてきた方々は少なくありません。その方々は確かに真実を見極めようと修行を重ね、一応はそのような評価を得てきました。しかし、その方達もまた、真実とは何か、自分の本質とは何かを知らずに死んでいきました。その証拠に、いまだその方達は真っ暗な世界に沈み込んだままなのです。また、その方を師と仰ぎ、神と崇めてきた信者達も、同じ世界にともに落ちている、これが紛れもない現実の世界です。
 悟ったとされる方が、どうして苦しい世界の住人となっているのでしょうか。それは、神、仏の世界、パワーの世界を説いてきた宗教者も、未知なる世界を探求してきた科学者も、みんな形を本物とする基盤に立ち、真実を見極めようとしてきたからなのです。しかし、形を本物とする基盤に立っていては、真実が見えてくるはずはないのです。つまり、その人達には自分の本質が分からなかったということでした。人間はどこから来てどこへ行くのか、自分の心で解き明かすことができませんでした。
 だからこそ、今、間違った神、仏、パワー、宗教の世界を心に詰め込んできたあなた方に、このように一冊の本を介して真実を知っていってくださいと、私はお伝えしたいのです。とは言っても、どこの馬の骨とも分からない私の伝えることを、あなた方はすぐには信じられないでしょう。しかし、このことはやがてあなた方の心で証明されていきます。本当のあなたがあなたに伝えてくるからです。私はそれを信じて待ってきましたし、これからも待ち続けていくだけなのです。



◎ メッセージ:あなたへの願い
今までたくさんの人達が、私の話を耳にしてくれました。心で感じ、心で証明してくれる方も出てまいりました。本当に嬉しい限りです。私は、そんな一人にあなたもなってもらえればと思うだけです。
 私は、セミナーの中で、あなた方のこの地球上での転生の時間を、一応、三億六千年と伝えてきました。数字のことは別として、それだけの長い間、肉の自分を自分だと思って存在し続けてこられたあなた方に、今世の僅かな年数で、私のお伝えすることを心で理解することは、甚だ困難なことだということも承知しておりました。
 だから、私は何度も何度も繰り返し、毎回のセミナーで同じことを伝えてきました。もちろん、私がこのような話を始めてから、私の周りにはいわゆる霊能者、チャネラーと呼ばれる方がたくさん出てこられました。その方々はチャネリングということを通して、どんどんどんどん意識の世界のことを語り始めました。それはセミナーが流れていく中での一過程でした。最初は、そういうことを通して、意識の世界に触れていくということだったのです。それについては、チャネリングは、ある一定の成果を挙げました。それはそれでよかったのです。
 本来、学びの本筋は、みんながセミナーとともに成長していくことでした。しかし、残念ながら、なかなかそうは行きませんでした。心を見るということが学びの中心課題であるにもかかわらず、チャネリングそのものが主体となっていったからです。チャネリングをする側も受ける側も、ただ心を見るためにそういうことがなされているということが、いつの間にかぼやけてしまって、チャネリングをつかみ、チャネラーをつかみ、実際は学びの本筋から大きくずれていった方が多かったのです。
 そこに流れるものは、まさに教祖と信者のエネルギーでした。己一番と底なしの欲のエネルギーが渦巻いている中に、ともに落ちていったのです。いまだ、そこから抜け出せない方もいれば、自分の心を見て間違いに気付いていかれる方もありました。
 このように、様々な局面を迎えて開かせてもらったセミナーでした。
  その間において、私は様々な人から様々な言葉、態度を受けてきました。喜びと感謝を伝えてくれる方が大半でしたが、罵詈雑言を浴びせられたことも多々ありました。それでも私はそういう人達もいつの日にか、私がお伝えしようとしていることを分かってくださると信じながら、今日までやってきましたし、もちろん、これからも同じです。もとよりセミナーでお金儲けをするとか、名を売り、顔を売るという思いが全くない私には、どのような言葉であれ、態度であっても、それによって自分自身が揺れるということはありませんでした。そして、私はどなたに対しても誠実に向き合ってきました。その人が分かってくれるくれないには関係なく、私自身に誠実に、そして、皆さんにも誠心誠意お付き合いさせていただきました。
そして、予定通りに私の仕事は進み、この本を仕上げることで、さらに総仕上げをさせてもらっている次第なのです。
  私には、セミナーは、ただただ喜びの時間と空間でした。私は、その時間と空間の中で、お伝えすべきことは、すべてお伝えしてきました。後はそれを耳にした人が、実践を通して自分の心で分かっていくだけのことです。



◎ 肉体と意識:本当の自分を知る
 私は、すべての方の心に真実があり、その真実そのものがあなた自身であることをお伝えしてきました。
 それは、例えば、こういったことです。今、私は、日本人として肉を持っています。しかし、私の本当の姿は意識、波動なのです。それはあなたも同様です。今、私は、肉の私としてではなく、意識、波動の私が、あなたの心の中でこのように呼びかけています。そうです、その私とは本当のあなた自身です。本当のあなたが、「肉のあなた」に呼びかけているのです。肉の世界では、私の肉とあなたの肉は別個のものであるし、互いに今現在どんな肉であるのかも知りません。しかし、意識の私達はひとつなのです。私とあなたの区別も、境目もありません。私は今、肉を持ちながらそのことをよく知っています。一方、あなたは肉の自分だけを自分だと思ってこられた、自分と自分以外をしっかりと認識してこられたのです。だから、私の呼びかけにすぐにあなたが反応するとは思いませんが、静かに自分の思いの世界、心の世界を辿っていけば、きっと私の存在というものが感じられることでしょう。



◎ 戻るべき場所:本来の自分への回帰
  本来、私とあなたはひとつの世界にありました。しかし、あなたは肉が自分だと思った瞬間から、私を心から離していきました。あなたが私から離れていったのです。
 あなたは本当の自分を捨てて、偽物の自分をずっと心に握り締めて存在し続けてこられたのです。今ようやく、それが間違いですよ、という気付きのチャンスを自らに与えているのです。本来の自分に戻っていこう、帰りたいと切実に願ってこられた思いが、あなたに今世の肉を持たせました。
  そして、ある方々はセミナーに集われ、また、ある方々はこの一冊の本との出会いにより、真実を知るチャンスを自ら作ってきたということです。
  以上のようなことが、あなたの心で感じられたなら、それでいいのです。すべてはあなたの中からの促しです。それを信じていこうとするのもあなたなら、こんなものと捨て去っていくのも、また、あなたです。これが本当のことであるのかどうなのか、他人に聞いても分かりません。
  ただひとつ分かる方法は、あなたが自分の心を見ていく作業を進めていくことです
。なぜならば、あなたはその心の奥底に真実を知っているからです。その作業の中で、何かあなたの心にコツンと突き当たるもの、手ごたえがあるはずです。しかし、それでもまだはっきりと分からないかもしれません。分からないながらも、あなたはここに書かれているどこかの文章、言葉が、あなたの心に引っかかるというか残っていくと思います。
  そして、いつの日にか、またそこへ戻ってくることだろうと私は思います。それでいいのです。その時、あなたの心が何かを感じ、そして、それからどんどん心で分かってくると思っています。
要するに、真実はあなたの心でしか分からない、そして、あなたの心で必ず分かる、これが私の一貫した思いです。
  だから、私は来るものは拒まず、去るものは追わずということでやってきました。というのも、真実をお伝えすることが私の喜びであり、それ以外の思いは全くないからです。
  私はどこにでもいる平凡な一日本人です。肉はそれでいいのです。肉の私には何の力もありません。だから、私があなたにパワーを授けるとか、あなたを苦境から救い出すとか、もし、あなたが私にそういうことを期待されているのならば、私とあなたには接点がありません。あなたの欲の思いと私の思いは全く相反するもの、全く合わないものだからです。
  私がお伝えしてきたことは、確かに難しいことだと思います。現にそれぞれに生活があり、社会もそのように流れています。日々の生活の中から、社会の流れの中からご自分を解き放つということは、決して簡単なことではありません。
  そもそも、実生活、実社会の枠の中にすっぽりと納まっている自分だということ自体が、なかなか分からないのです。目で見える世界のほうが実感があるから、目に見えない世界を信じることは極めて難しいということです。それでも私はこれからも伝え続けます。
  この肉から意識への転回は確かに難しいことですが、私がお伝えしてきたことを心で分かる方が絶対に出てこられるという確信は、私の中にありました。そうです。私は意識の目覚めを待ち続けていたのです。
  そして、予定通りにそういう方と出会わせていただいて、私は心より感謝しております。今世はそれでよかったのです。一人が250年後に心を繋ぐということが、どれほどの喜びであるのかは、これから人類はつぶさにその現実を見ていくことでしょう。
  そして、この学びは今世から250年後へと繋がっていくものなのです。今世だけで完結ではありません。だから、この本を手に取ったあなたが、たとえ、セミナーに集っていなくても、あなたの心に何かが響き、あなた自身の250年後に繋いでもらえれば、それでいいのです。私はそのことを信じ、喜びで待ち続けています。
  もし、今世の私がこの世で言うところの肩書きがあり、有名人であったりすれば、もっとたくさんの人が集ったかもしれません。あるいは、バックに大きなスポンサーがついていて、その財力で人を集め、講演会と称してこういうお話をすれば、もっとたくさんの人に広まっていったかもしれません。しかし、私には金集めも、人集めも必要がありませんでした。今世の私の目的は、そういうものではありませんでした。
今世は意識の目覚めが必要だったのです。心を250年後に繋ぐということが最重要課題でした。だから、人をたくさん集め、セミナーを大きくしていくことは必要なかったのです。ただ心で分かる方の出現を、私は待ち続けてきました。
  そして、今は、その目的が達成されていますので、私はどれほど喜びであるか、本当に感謝に堪えません。心からありがとう、ありがとうの思いでいっぱいです。
  ところで、私は今世初めて肉を持ったと記していますが、それは私が皆さんとは別格のものであるとか、私は大きな使命を持っていますとか、そういうことではありません。
  私自身も人生半ばまでは真実に疎く、それゆえ様々な悩み、苦しみの連続でした。私自身の一生をここでお話しすることは省略させていただきますが、決して私は特別な人間ではないことだけは知っておいてください。
  母のお腹を通って生まれてから約50年は、間違いだらけの人生を歩いてきたのです。それから約十年、私は、心を見るという作業を通し、試行錯誤を重ねながら、ようやく自分の心で感じていることが真実である、これこそが唯一の真実の世界であることに到達しました。そして、それからの約20年間、セミナーを通し、自分自身もまた成長していきました。セミナーが私を育ててくれたのです。私は本当に今最高に幸せです。私自身の人生を振り返れば皆さんとご同様、いや、それ以上に様々なことがありました。私もまたご多分に漏れず、自分の職業を通して人間社会の裏側を数々見てまいりました。私は、私を含め、人間というものは本当に愚かな生き物だと思っています。
  しかし、私が体験してきた事柄は、どれもこれもみんな今、私にはプラスに転じ、ただただありがとうの思いが心から沸いて出てきます。その当時はどれだけ心を落とし、心を汚してきたことであっても、みんな私には必要な人であり、必要な出来事であったということが分かったのです。だから、私を苦しめ、自分の敵だと思ってきた人であればこそ、なお一層その人達に対して本当にありがとうございましたという思いが出てきます。
  敵は一人もおりませんでした。これが自分の体験を通し、心が見えていく過程の中で教えてもらったことでした。敵は一人もいなかった、この思いに到達できたとき、本当に心から嬉しく思いました。
苦しみは外から来るものではなく、外から与えられるものでもないということに、私は心で気付かせてもらったのです。心を広げていくことが喜びでした。様々な出来事、色々な人々が私を鍛えてくれ、己という肉を崩してくれました。今はもう、ただただありがとうしかありません。
 その私の世界、波動の世界に、あなたもともに心を合わせていってください。あなたの心で真実の世界を感じていってください。私は最初からそのように皆さんにお伝えしてきました。