◎ コペルニクス的転回
「はじめに」というところでも記しましたが、あなたはコペルニクス的転回という言葉をご存じでしょうか。「太陽が地球の周りを回っていた」というのと、「太陽の周りを地球が回っていた」というのとでは、根本的に全く違っています。まさに180度の転回です。このコペルニクス的転回が私達にも起こってこなければ、真実は見えてこないという意味で、私はセミナーの中でこの言葉を引用してきました。
そこで、私の言うところのコペルニクス的転回とは、次のようなことです。
「私達は肉ではなく意識です。私達は意識、波動の世界に永遠に生き続ける命、エネルギーです。」
たった二行の文章ですが、このことを私は頭ではなく、あなたの心で分かってくださいと申し上げているのです。ただ、そう簡単には分かりません。分かってくださるには、まだまだたくさんの時間を必要とすることでしょう。しかし、このことは必ずあなたの心で分かることです。そして、あなたの心で本当に分かっていったなら、あなたの物の見方、考え方、価値基準は全く変わっていきます。どう生きていけばいいのか、そして、どう死んでいけばいいのか、その思いが全く変わっていきます。そして、なぜ自分は今肉を持っているのかということが心に見えてきます。
◎ 意識への転回:根深い肉の思い
そのためには、肉から意識への転回、つまり、肉が自分だという思いから、意識が本当の自分の姿であるという心の転回が必要不可欠のことなのです。
ただし、この意識の転回、心の転回はそう簡単にはいきません。肉が自分だとする思いは非常に根深いです。現に目に見えない世界があると感じておられる人でも、その人の根本は肉です。肉を基準としてとらえています。従って、その人の中でこの転回が進まない限り、どこまで行っても真実には到達しません。
◎ 意識の流れ:心へのメッセージ
しかし、今世、意識の目覚めがありました。意識の世界は大きく動いています。その流れは淀むことなく順調に流れています。その意識の流れが、あなたの中からも揺さぶりを起こしてまいります。これから、あなたに形を通してそのメッセージが届けられることでしょう。「さあ、あなたもこの流れに乗っていきましょう、ともに歩いていきましょう」、そのメッセージがあなたの心に伝わってきます。素直な思いで受けていけるあなたでいてください。それは本当に優しい優しい誘いなのです。そのことに気付けるあなたに蘇ってください。
◎ 波動の世界:真実への入り口
生きとし生けるものすべてから波動が流れています。その波動の世界を心で感じていくことこそが、真実を知っていくことなのです。波動の世界こそが真実を物語ります。波動の世界の中にしか真実はありません。
私達人間の心の中には、凄まじいエネルギーが蓄積されてきました。肉を本物とするエネルギーは、すべてを破壊し、支配するエネルギー、ブラックのエネルギーです。私は優しい、私は立派、そんな人は一人もおりません。本当の優しさが分からなくなった、本当の幸せも喜びも見えなくなった、無知とエゴと欲の渦巻くエネルギーの中で、何も分からなくなってしまったのが私達人間の姿です。
◎ 現代社会の歪みと人間の愚かさ
そろそろ、本論に入り始めましたが、ここで、あなたの日常に目を向けていきましょう。連日メディアを通して、あなたの目に耳に飛び込んでくるものは、狂った人間社会をつぶさに示しているものだと思われませんか。人間がいかに堕落してしまったか、人間の愚かさを露呈するニュースが続々報じられてきます。社会のひずみが陰湿な犯罪を生み出すことに拍車をかけています。いじめも児童虐待も、戦争、テロも狂っている人間社会を象徴しています。
真実を知らない大人社会の暗い思いは、確実に若者達の世界にまで及んできました。現実社会から逃避するために、酒、タバコ、麻薬等々に溺れ、まだ年齢は若くても身体はボロボロ、心も疲れ切っていて生気がない、そんな若者達が溢れ出しています。そんな社会現象の中で、心の底に眠っている闇のエネルギーが、大人の年齢に達しないうちに暴発していきます。犯罪の低年齢化です。そして、それはテレビ、雑誌等のマスコミを通して、ますますエスカレートしていく傾向にあります。大人達はなぜそういうことが起きるのか、どうしてということがはっきりと分からないのです。子供達の心は確実に荒んでいる、悲鳴を上げているにもかかわらず、真実を知らない大人は、自分達の乏しい経験や学識の中で色々と議論を交わしているだけです。そして、その解決方法は分からないまま、うやむやのうちに結局、時が流れていくだけなのです。
また、今はどこを向いても戦争です。家庭においては夫婦、親子、嫁姑、教育の場では受験戦争、職場では企業戦争、そして、大きくは国と国、民族と民族、どちらも正義を振りかざし、自己を主張し合い、相手の息の根を止めるまで闘いは続いていきます。これからますます世の中の混迷の度合いは増していくことでしょう。この流れに歯止めはかけられません。
本当はもうここまで堕落してしまった中にある私達です。しかしながら、そのことに、まだまだ気付けていないのが、実際のところです。
だからこそ、人間は、私は正しい、私は間違っていない、私は立派、そうやって、今も生き続けているのです。
ただ、いつまでもそうはいきません。自分達こそが一番愚か者であったと気付いていく道筋を、私達人間はこれから歩いていきます。自ら蘇るチャンスを与えていきます。
◎天変地異:最大の愛のメッセージ
なぜならば、私達は愛だからです。分かりますでしょうか。私達は愛だから、自らに目覚めていくのです。そうです、私達は、本物の愛に目覚めていくのです。だから、天変地異が起こってきます。それも大規模な天変地異が起こってくるのです。天変地異は神の怒りではありません。天変地異は喜びです。真実に目覚めゆくための喜びのエネルギーなのです。そして、もうその天変地異でしか私達人間が真実に目覚めゆく手段は残されていないということです。天変地異が私達にとって最大かつ最終の愛なのです。
私達人間は、すべての頂点に立つものとして、この地球はもとより宇宙をも我がものにしようと、真っ黒なエネルギーを垂れ流してきたのです。そのエネルギーの中で地球という星は、今や瀕死の状態です。そして、そのような中にありながらも、この星は目覚めなさいと私達に警告を発してくれています。それが、今、地球上で起こっている大小様々の天変地異であり、これから先、私達が体験していく未曾有の天変地異なのです。
◎ 宗教の解放:真実への回帰
未曾有の天変地異が、私達人間に促していくものは、心の中に宿る神々を手放しなさいというメッセージです。私達の心が宗教というものを離していくまで、決して私達は幸せになりません。自分達は初めから幸せであったと分かるには、心の中に宿る神々を手放していかなければならないのです。救いを求める心、祈りを捧げる心、その間違った心に気付きなさいというメッセージが、これから、想像を絶する規模の天変地異として、私達人間に届けられます。
ここで間違わないでください。メッセージを届けるのは、私達自身です。私達が自分達に、次のようなメッセージを届けるのです。
「自分の外に作った神々には、あなたを救う力などありません。支配と破壊のエネルギーを撒き散らして、ますます混乱の中へ突き落としていくブラックパワーに他なりません。そのブラックパワーと手を組み、己の欲望を膨らませ続けてきたのが、これまでの私達の姿でした。もちろん、今もそうです。真実を知らない一人ひとりが宇宙に垂れ流しているエネルギーは膨大です。しかし、そのことに気付いていく、気付いていけるこれからなのです。」
◎ 宇宙と人間:法則と喜び
ところで、今、私は、宇宙という言葉を出しました。宇宙といっても、皆さんが宇宙について連想される、例えば、宇宙ステーション、宇宙飛行、太陽系、銀河系……、といった形の世界のことではありません。それは、意識の世界、波動の世界を言います。『10.私達は、宇宙とともに次元移行をします』のところで、もう少し詳しく触れますが、そうです、宇宙とは、広い、広い、どこまでも広い、そして、温かい温もりの意識の世界、波動の世界を言います。それが、本来の宇宙の姿であり、実は、それが本来の私達の姿ですと、私は申し上げています。
しかし、私達は、その本来の宇宙、本来の自分達の世界を暗黒に変えてしまったのです。肉を本物として生き続けてきた私達は、愚かな生き物になり果ててしまいました。目先のことに心を振り回され、己の欲を満たし、自分の身を守り、自分を表していくこと、認めさせることに東奔西走する毎日を送ってきましたし、今もそうです。
しかし、人間は自分達が愚かであるとは思っていません。「私達は万物の霊長である、私達の智恵と勇気を持ってすれば、この宇宙をも動かしていくことができる」と、豪語しているのです。その驕り高ぶった欲望のエネルギーは、やがて、自らに返ってきます。それが宇宙の自然のリズムと合わないからです。自分が出してきたものは必ず自分に戻ってきます。これは宇宙の法、つまり、意識の世界の不変の法則です。人類は万物の霊長どころか、もっとも最低最悪、悪臭を撒き散らしているのが人類だと言っても言い過ぎではありません。
しかし、また一方で、本当に堕落の一途を辿ってきた人類の歴史の中で、ようやくその間違いに気付いていく計らいの中に、自らを誘っているのが私達なのです。もちろん、その道は険しいです。これからその気付きの時を何度も何度も体験していきます。
もう、この流れは変えることはできません。止めることもできません。その流れは、宇宙という真実の波動の世界に触れた喜びが、どんどん気付きを、促しを与えていくという流れです。私達人類の頭脳をいくら集積しようとも、この流れは厳然として流れているのです。流れに逆らえば逆らうほど、それは正確に自分達に返ってきます。そして、人類は自分達の愚かさというか、肉の世界の小ささに気付いていくようになっているのです。
肉の世界は、はかなく消え去る影の世界です。その世界を本物として生き続けてきたのが私達人間でした。それは間違いなのです。だから、その結果を私達は自ら受けていかなければなりません。私達もまた、宇宙の中にある不変の法則に従って存在していると知らなければなりません。
確かに、私達人間社会にも一定のルールが存在してきました。やがて生命と財産を守るための法律が成立し、互いに互いを縛り合いながら秩序は保たれています。それは時代により、国により異なり、決して不変のものではありません。宇宙の法というものは、私達が言っている法とか秩序とかいう範疇のものではないことは、分かってもらえますでしょうか。それは、どんなに時が巡っても決して変わることのないものです。