「意識の流れ」

5.ここで「死」ということに触れてみましょう



◎ 死との向き合い方
 あなたは自分の死をどのように受け止めておられますか。真っ直ぐに真正面から死と向き合えますか。死というものを忌み嫌い、自分の死を見つめていけない心があるのではないでしょうか。まだ若いからそんなこと考えたことがないと言われる方も、死は突然にやってくるということが考えられませんか。また、若いから死にたくないのではなく、年齢を重ねていてもその肉にしがみついている方はたくさんおられます。そして、健やかに長寿であれば幸せだと思っています。死ぬまで元気で、死ぬ時はコロリと逝きたいと、みんな願っています。
 みんな、その肉だけが自分だと思って生きてこられた結果、その肉を離すことに恐怖の思いをしっかりと持っています。過去に何度も味わってきた恐怖が、あなたの心に記憶されているからです。だから、若いうちはもちろんのこと、年齢を重ねても死と真向かいになれないのです。
 ありがとう、心からその思いで自分の肉体細胞を思い、慈しみながら、その肉を離していく人は一体どれくらい、いらっしゃるでしょうか。ただ単に、命を永らえるために薬漬けの日々を送っている人も多くいます。しかし、不老長寿の薬などありません。いつかは必ずやってくる死です。心に不安と恐怖の思いを抱え、最後に縋るのは神、仏でしょうか。そんなことは空しい、哀れなことだと思いませんか。それよりも、しっかりと自分の歩いてきた人生を振り返る時間の中で、真実を知っていかれ、本当にありがとうございましたと、その肉を離していくことができたなら、どれほど幸せなことかと思われませんか。



◎ 死後の世界:地獄は今ここにある

 あなたが生まれてきたのは偶然でもなく、必要があったからその今の肉をもらってきたのです。あなた自身が望んだ環境、その他すべてを選んで今のあなたがそこにいるのです。真実を知らずに、また、あなたは今世もその肉を閉じていくのでしょうか。
 真実を知らない世界は、真っ黒な真っ暗な闇の世界です。もがき、喘ぎ、苦しみ、のた打ち回り、そして、やがて身動きさえできない重苦しい闇の奥底に沈み込んでいくのです。肉を本物とする人間達が、やがて自分の死を迎え、その肉体を捨てていったとき、帰っていくところはそんな世界です。
 死んで地獄へ行くのではありません。今、あなたはすでに地獄の住人なのです。ただ肉を持っているから、肉で覆われているから分からないだけで、その肉を離せば、あなたの心の世界、意識の世界はもろにあなたを覆い尽くしていきます。ということは、あなたが真実の世界を知らなければ、肉を持っていても持っていなくても、生きていても死んでいても、地獄の中にあるということです。



◎ 人生の意味:死の瞬間までに知るべきこと

 我が人生に悔いなし、本当にそうでしょうか。では、あなたの人生とは一体何なのでしょうか。あなたが死ぬその瞬間までが、あなたの人生なのでしょうか。
 こういうことに、はっきりと答えてくれたものに、今まであなたは出会われましたか。確かに今の世の中、情報は豊富で処世術の類の書物は氾濫しています。また生きていくコツ、処世術は、それなりに人生経験を重ねていけば身に付きます。その道を極めた人のお話は参考にもなり、ときには深い感銘を受けられて、いい刺激を与えてくれると思われているかもしれません。しかし、それらはみんなある程度までで、それから先はありません。そこから真実に出会うということは決してありません。結局はみんな何も分からないまま、この世という濁流の中で浮き沈みしながら日々を過ごし、時が来ればその肉体を離していくだけのことです。そして、あなたを待っているのは、寂しくて、苦しくて、冷たい真っ暗な世界です。肉を自分だと思っている意識は真っ逆様に落ちていきます。奈落の底に沈み込んでいきます。実は肉を持っている時も、その世界に住んでいるのだけれども、肉というクッションで心を紛らわせているだけのことであり、その肉を外していったとき、すなわち、肉がない状態になれば、その世界がもろに、そして、鮮明に現れてくるということなのです。



◎ 死後の世界:真っ暗な孤独

 誰一人例外もなく、死ねば自分一人の世界です。あなたの世界にはあなたしか存在しません。どんなに苦しくても、どんなに寂しくても、誰も何も答えてくれない、ただあなたがそこにあるだけなのです。その時、あなたはどうするのですか。この世のことなら色々な方法をもとに、それなりの結果が得られるかもしれません。しかし、何もない、ただあなたの心があるだけで、しかもその世界は真っ暗な世界です。それがあなたの心を覆い尽くしていくのです。この世でどんなに頭脳明晰を誇った人も、何も分からない無知なまま、地獄の奥底に沈み込んでいくだけです。



◎ 心を見る:地獄にいる自分と向き合う

 だから私は、あなたが肉を持っている間に、心を見るということを通して、地獄に落ちているたくさんの自分と対面してくださいと言っているのです。そして、心だけになった自分自身に対して、本当のことを伝えられるあなたに蘇ってくださいと申し上げているのです。人に恵みを施したり、人の面倒を必要以上に見ていく余裕など、どこにも残されていません。自分の実態が心で分かったなら、あなたは必死で自分の心と向かい合うことでしょう。限られた肉の時間の中で、そうすることが最大の優しさだと分かってくるからです。そして、それは自分自身に対してだけ優しいのではなく、その優しさはあなたの周りにも波動となって流れていきます。その優しさはパワーです。まさに真のパワーだから本当の意味で人を癒していくのです。



◎ 真の癒し:心の優しさと温もり

 癒しの音楽、癒しの香り、昨今は癒しのブームでありますが、本当の癒しとはあなた自身のその心の中にあることを知っていってください。
 自分を癒していくのは、あなたの中の優しさと温もりです。あなたの心は誰も救えません。祈って、祭って、救われるものならば、地球人類はもう遥か昔に救われています。



◎ 人類の狂気:地球が受ける打撃

 いまだに闘いの日々を費やしている愚かな人類です。真実が分からなくなってしまった人類は狂っています。その狂ったエネルギーが、この地球上で色々な形となって現れてきているのです。もう、そのエネルギーは地球全土を覆い尽くす勢いです。
 これから人類は大変な時を迎えます。肉がすべてだと生きてきた人類にとっては、見るも無残な体験をしていきます。もう成す術もないほどの打撃をこの地球は受けていくことになるでしょう。みんな愚かな人類が自らに矢を射り、弓を引いてきた結果なのです。



◎ 選択の自由:人生は自分の責任

 今まで肉を自分だと思い、肉の幸せと喜びを最優先してきた生き方というものが、どれだけ無知な生き方か、どれだけずれた生き方か、段々と分かってこられたでしょうか。
しかし、どの生き方を選んでいくかということは、どこまでもあなたの自由です。そして、その結果もあなたのものですよと私はお伝えしています。
 自分が選んできた結果だけを見て、つらいとか、苦しいとか、悲しいとかを訴えて、その原因となるものが自分の心にあることを横に置いておいて、人を責め、社会を呪っていくことが、どれだけ愚かであるか分かりますか。みんな様々な理由をつけて責任転嫁していくのです。誰も自分の責任を取れない、それは本当のことを知らない無知な人間だからです。だからと言って、私は決してあなたに強制する思いはないのです。私の言うことを聞きなさいと上から物申しているとか、諭しているとかは一切ありません。
私はあなたの心で分かってくださいと、お伝えしているだけです。真実はこうですよ、これが本当のことですよと、私は皆さんの前に提示してきました。それを受けていくのは、すべてあなたの心次第なのです。この私の思いというものは一貫して変わりません。



◎ 真実に触れる:人生の旅

 あなたが過去において、どんな人生を歩いてきたかは問題ではありません。それよりも、その時どんな思いを使い、どんなエネルギーを流してきたか、自分の出してきたエネルギーを、どのくらい感じてこられただろうかということが大切なことなのです。私は一人でも多くの方に、なぜ自分が生まれてきたのか、なぜ死んでいくのか、ということを立ち止まって考えてほしいと思っています。そして、この本がそういうことに触れていくきっかけになってくれればと思っています。
 確かに三億六千年、それ以上の心癖を弱めていくのは大変困難なことです。しかし、あなたが素直な心を思い出し、欲得なしに本気になって自分の生き方、死に方を考えるなら、私がこの本を通して伝えようとしていることは、きっとあなたの琴線に触れていくことでしょう。



◎ 人生の意味と喜び

 私はあなたに本当の幸せと喜びを知ってほしいと心から願う者です。そして、本当の幸せと喜びはあなたの中にある、あなた自身が幸せ、喜びの存在であることに心で気付いていってくださいと、お伝えする者です。
 毎日を喜んで、楽しんで過ごされているのは、それはそれで大いに結構かと思います。しかし、それだけに踏み留まってほしくない、やはり、本当の人生を生きていってくださいという思いがあります。誰かに依存する、あるいは、何かを頼りにする生き方ではなく、一人ひとりがもっと自分を大切にしていってください。もっと自分を信じていってください。まず、ご自分が本当に幸せになってください。いいえ、すでに幸せなご自分であることに気付いていってくださいということを申し添えておきます。

 そこで、今まで誰一人として私のお伝えしたいことを分かった人はいないのかというと、そうではありません。私はセミナーを通し、私のお伝えしたいことを証明してくれた、心で分かってくれた私の仲間と出会わせていただきました。だから今、私は最高に幸せな時を迎えています。我が人生万歳です。今世の仕事を終えて、意識の世界に戻れる私は本当に幸せです。